英国フラワースクール フラワーデザイン・オブ・ブリテン

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母の日

イギリスの母の日とアメリカの母の日は異なります。イギリスはだいたい3月中旬から4月上旬の間の日曜日、アメリカは5月第2週の日曜日とされています。最初の母の日の記録は、古代ギリシャの伝説でした。偉大なる神の母Rhea(レーア)の話と記されています。

イギリスの母の日

イギリスの母の日は四旬節*に入ってから第4週目の日曜日に当たります。アメリカの Anna Jarvis にちなむ母の日とは異なりイギリスの母の日は宗教的な意味合いのある休日です。そのルーツはキリスト教布教初期の頃、ローマンカソリックが神の母を崇める日として3月の中旬頃に設定しました。次第に宗教の催事へと取り込み、キリストの苦しみを思う四旬節の季節にリンクさせてゆきました。今日でもこの数えに従い母の日が設定されますので、イギリスの母の日は毎年異なる移動祝日となります。

*四旬節 Lent:キリストの復活の前の40日間の期間

16世紀になると、住込家政婦として働いていた10代の少女たちはこの日に休みを与えられ、実家にいるお母様たちに会いに行く事を許されました。彼女たちは大好きなお母様のお土産にお花やフルーツケーキを焼いて持ってゆきました。ケーキは形に特徴があり11個のマジパンで作った丸い小さなボールを載せます。これはキリストの使者たちの数です。ただし裏切りをしたユダはこの数に入っていませんので数が11個となった訳です。イギリス人たちも毎週日曜日には地域の教会(Daughter Church) へ通っていましたが、母の日には家族で大きな教会(Mother Church) や大聖堂まで出向いたそうです。

現在ではイギリスもアメリカや他の諸国と同じように、お母様たちへ感謝を表す日として花を贈ったり、特別なパンやスィーツを焼いたり、あるいはレストランに家族総出で出かけたりしています。尚、神の母はキリストの母 Mother Mary の事で純潔の象徴とされ、マザーメアリーと白い鉄砲ユリの絵などは皆さんもご覧になった事があるのではないでしょうか。Mothering Sunday は Mother's day, Sunday of roses とか、Sunday of refreshments とか、Simnel Sunday などとも称されています。この Simnel は女の子たちが焼くマジパン11個の載ったフルーツケーキの事で四旬節を象徴する食べ物になりました。

イギリスの母の日で人気の花はバラの花束。ブーケのスタイルはフラットブーケやポージーが多数。イギリスのお母様たちは皆さんフラワーアレンジメントがお上手。長い茎のままのブーケはママたちにとってはありがたい贈り物との事です。

アメリカの母の日

アメリカのウエストヴァージニア州のウエブスター町のメソジスト教会に26年間日曜学校の教師をしていたジャーヴィスと言う婦人の娘アンナの発案が発端です。モーゼの十戒の「汝の父と母を敬え」の実行したいということから発展。その娘の母が亡くなってカーネーションのブーケを捧げた事からそれ以来母親への感謝の気持ちを赤いカーネーションで表す習慣が世界中に広まりました。日本でも母の日は5月の第2週。母の日にカーネーションを送る習慣はもうすっかりと定着しました。この日は日本のお花屋さんにとっても一番忙しい行事となります。

切り花で出回る一輪タイプのカーネーション、クラシックな花ですが香があり長持ちです。バラなどと合わせて作るアレンジメントも喜ばれますね。鉢物も人気のようですが、日本の夏は暑すぎてカーネーションが夏を超えるのは冷涼地を除き難しいです。その時の華やかさを楽しんで下さい。